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グリザベラの館

グリザベラの館

H15.6.25  オペ後1ヶ月診察


H15.6.25     オペ後1ヶ月診察

 今日は天気が悪く雨だった。家を出る頃はやんでいたのに最寄のバス停に着くとまた降り出した。午前中、歯科口腔外科へ。普通にしていると歯茎は痛まないのだが触れると痛む。骨が出っ張っているため痛みが生ずるそうである。静観か局麻で骨を削って丸めるしかないそうである。それから10日程前に、痛かったところから何かがとれたので診ていただいたところ、親知らずを抜歯した時の歯のかけらが刺さっていたか、もしくは魚の骨?らしい。これがとれて少しずつ腫れが軽くなっていったと伝えた。とりあえず急ぎということもないし目だけで精一杯なので静観する事にした。この日で歯科口腔外科は終了した。

 思ったよりも早く診察が終わってしまい、早めに病院の食堂で食事をするがそれでも時間を持て余してしまった。午後から眼科の予約が14時に入っているがさすがに早すぎた。早いだろうなと思いつつ眼科の外来受付に診察券を出す時尋ねてみた。

 すると眼科の看護師さんいわく
“目の検査があるから1時代からでもいいわよ。それとも時間つぶしてくる?”
さすがに1時間近くはつぶせないなぁと思い、1時代でお願いした。

 しばらくして4番の部屋に入るようアナウンスがあった。そこで視力検査や斜視角度の検査をした。担当は手術前日に検査していただいた視能訓練士の先生だった。以前と違ってリラックスして検査に挑む事ができた。右目が0.6で左目が0.7だった。斜視角度の検査のときには初診の頃からお世話になっている視能訓練士の先生も加わった。実は眼科に来る前に出くわして“戻り”について気になってることを聞いてもらっていたのだ。視能訓練士の先生いわく『いい具合』なのだそうだ。

 目の諸検査が終わると一度待合に戻された。そこで以前、手術前日にお会いした患者さんの親御さんと再会した。向こうから声かけて下さった。その親御さんとは多分だが私と年齢がいっしょ位で、病名こそ違ってはいたが主治医がいっしょだった。意気投合してアドレス交換までしてしまった。いろんなお話をしていた時、私の名を呼ぶS先生のアナウンスがあり診察室へと入った。

 この前の診察以降の経過のレポートを先生に見ていただいた。レポートには不安に思ってる『戻り』の事も書いていたので先生に詳しく診ていただいた。戻りが思っていたよりもひどくなってないことが判明しホッとした。それから試し撮りをした写真を持ってきていたので先生にお見せすると“いい具合じゃない!?”と喜んで下さった。

 そして先生に尋ねられた。
“入院していい経験になった?日記は出来上がったの?”
そして私
“ええ、出来ました。20Pになってしまいました。入院していい経験になりました。”
と応えると何日か前に出来上がったばかりの入院体験記をかばんの中から取り出すと先生に差し出した。タイトルを見て先生
“この『グリザベラ』ってなぁに?”
そして私
“あの、あとがきに書いてますので…”
研修医が沢山いたので恥ずかしくて言えなくてぶっきらぼうに応えるとそのページを見ながら先生いわく
“『CATS』に出てくる名前ね。私も2回見たわ。”

 私はここでもっとミュージカルの事お話したかったのだが、ここは病院だと自分にいい聞かせグッとこらえた。きっと私の事だからミュージカルの事になると場所を忘れて話しまくると思ったので。


 それから先生は顔を上げ、入院体験記を私に返しながら
“麻酔科の先生にもあなたの気持ち伝えたからね。あの時、麻酔科の先生に怒られたんだよね。何って言われたんだっけ?”と。
 『あー、またあの恥ずかしい話題!?』と私は思い、恥ずかしくて頭の中が真っ白になった。研修医の方々は知らない方が多いみたいで、そこで先生
“麻酔かけるときすごく震えていたのよね。そこで怒られたと。『自分をコントロールする事も必要なのだぞ』だったっけ?”
私はもう“そうなんですよー”と笑ってごまかす事しか出来なかった。眼科の医局どころか麻酔科の医局にまでウワサの患者さんとして私のこと知れ渡っていたらどうしよう…恥ずかしい…


 それから眼位検査をしてから眼球運動のデジカメ撮りをした。それから先生に見せていただいた。戻りが少し出ているのは右目であることがわかった。眼球運動の時の痛みは次第になくなっていくそうだが痛みを感じやすい人の中には1年くらいかかる方もいるそうだ。


 診察が終了し、次回は術後3ヶ月診察で9/3に予約を入れ、診断書とメールの件で感謝の気持ちを伝え診察室を出た。もうすでに午前中の雨は止んでいた。私の心も“戻り”がひどくなっていないことを知り澄みきっていた。不思議に思ったのは入院日の私と違って今日の私は全然心細くなく妙に明るかった事だ。研修医の方も沢山みえたのに以前のように緊張しなかった。それだけ心にゆとりが生まれたのだろうか。7月からはこちらの大学の公開講座と医療事務のスクールに通ってみようと思う。入院していた時ただ漠然と医療に関心を持ち退院してからもそれは変わることなくさらに医療関係のお仕事…医療事務をしてみたいと思うようになっていた。入院直前まで手術の事を思うだけで恐ろしくって退院後の事なんて考えられなかった私とは大違いだ。



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